[書評]給料低いのぜーんぶ日銀のせい

旅のお供に是非。

給料低いのぜーんぶ日銀のせい、著者は高橋洋一さん。

1990年をバブル挟んだバブル期に価格高騰したのは不動産や希少価値のある資産に限ったものであって、生活用品の物価上昇は数パーセント程度。

 

バブル崩壊後の日銀は、金融引き締め政策を続けるべきではなかった。これが賃金伸び悩みの要因と主張する一冊です。

 

日本の物価はアベノミクス以降漸く上昇する直前まできた

昨今、日本人の賃金水準が他国比相対的に安くなっています。

具体的には、OECD加盟国の中で年を追うごとに順位が低下、安くなっていることを問題視されています。

 

バブル崩壊以降、日本国内の製造工場が海外移転を続けましたが、その際の課題は国内賃金の国際競争力の低いこと。これを原因として、相対的に安い海外へ製造拠点を移していったんです。

 

この記憶が生々しいかたには、他国比安くなっていると言う問題意識は意外に聞こえると思いますが、統計上安くなっています。海外旅行に行くと、現地のレストランのお値段を日本円に換算すると高くて驚くこともありましたが、その原因のひとつに、バブル崩壊後の日銀が進めた金融政策を挙げる一冊。

 

アベノミクス発動後に漸く物価は上昇へ転じようとする場面でコロナ禍が直撃とも説明あり、その他説明には其々理論や裏付けとなる統計実績があり、テレビ番組を見るより理解し易く、また納得感もあるので、短期旅行中に読了出来る新書としてお勧めいたします。 

国内の通貨量を増やし、貸出額が増えると市場が大きくなり、賃金と物価に上昇圧力が生まれる

日銀の物価安定と経済安定(雇用の創出)義務のうち、極端な物価安定策だけに集中しすぎた結果、通過量が増えず、事業用に通貨が供給されなかった。その結果、新規事業が生まれにくい、既存事業者も事業拡大に向けた動きを取れない、といった作用が生まれていた。

 

だからこそ、通貨供給量を増やすべきだったのに、黒田総裁以前の日銀総裁は何をやっていたんだ?と言う指摘です。

 

デフレの構造を作り出したのは日銀。

通貨の総量を限定されたことが、20年間重石になっていたという論調です。

 

海外旅行では海外との物価の差を感じます

 

実際に驚いた経験を以下代表的なものをまとめました。

アメリカは当たり前すぎて書いてません、アメリカ以外を書いています。

 

シドニー

観光地とはいえ、ハンバーガーが25豪ドル。日本円で2,000円強。

日本マクドナルド(バリューランチ600円)と比べてはいけないので、佐世保バーガーと比べても1,000円とか1,500円。日本の外食は安い、利益率が低い、労働分配率が低いと思った。

シドニー食べ歩き記事

201808(3) シドニーへ(オペラハウス観光)

ハンバーガー25豪ドル、シドニーの物価の高さに驚いた!

シンガポール

ユニバーサルスタジオシンガポールの一日入場券は90シンガポールドル程度。

東京ディズニーランドとほぼ同じ価格帯ですが、スペースが違うんですよ。

 

東京の方が広いのに価格は同じレベルなので東京の安さを感じます。

シンガポールの土地代が異常に高いとも言えますが、日本の土地が安い?