■やったぞ世界一!優勝おめでとう
後半から延長戦まで続いたシーソーゲーム。
日本は、米国に先制されては追いつき、追いついては勝ち越され、の繰り返し。でも、その度に、諦めず集中力をキープして、攻めのストーリーをピッチの上で展開、そして最終的に追いついた。一言で言えば粘り強く耐え、点を取ったということ。日常ならいざ知らず、目指してきた大舞台のワールドカップの、しかも決勝戦でやり遂げたのだから立派!
■監督もすごいぞ
選手だけではない。佐々木則夫監督もなかなかのもの。
PK戦に入る時に選手達を笑顔で送り出すだけでも上等。大舞台であるほど、なかなか出来ないもの。ハーフの間、或は各ハーフのスタートの際に不自然なほどの緊張ではない、いつもの自然体で送り出そうとする和やかな様子が伺えた。
選手に過剰なストレスをかけすぎて、活き活きとした動きを殺してしまうのではなく、日頃の練習で培った運動能力と技能を出し尽くすようムードマネジメントにも気を配っていたと思われる。男性チームとは違う女子チームならではの努力かもしれないけれど、あのチームコントロールはなかなかのもの。
今のビジネス界、心身を壊してしまう人が多いと聞く。
適正ストレスの管理という点で大変参考になるのではないか。
■女子サッカー界の今後
ワールドカップ優勝で注目の高まる女子サッカー界。
この世界を目指そうとする人が増えるかもしれない。また、優勝したことで、日本女子サッカー界に課せられる期待と言う名のハードルが高くなるかも知れない。
けれど、これから暫くの間なにが起こるかと言えば、選手に入る資金よりも関連する業界への資金が増えるのではないかと思っている。テレビCMは判り易い事例だろうけど、これは一瞬で終わる可能性がある。過去のいきさつはwikipedaiにも掲載されている通り、文字通り山あり谷ありなのだ。
とはいえ、こうした活動をJFAが統括管理した上で、女子サッカー会の健全な発展に活かせるか、また、これから女子サッカー界を目指す人に夢を与えるような待遇を構築出来るのか、こっちのほうが重要だと思う。
日本で商業的に成功しているのは、野球とJ-リーグくらい。それでも野球と比べれば、男女問わずサッカー選手の旬は短いだけでなく、また相対的に一握りの選手が高額待遇を得ているのが現実。更に言えば女子サッカー界について言えばこんな記事もあるほど。
写真は澤選手。
この写真を見て感じたのは、世界一の栄光という「光」と、伴わない処遇という「影」。
(テレビでは気づけなかった違和感。カメラマンへ感謝。)
今回、女子サッカー界が夢や希望、勇気や覚悟を与えてくれた。
そうであれば、代わって今後は女子サッカー界へ夢と希望を差し出すことが重要だと思う。一握りのサッカー好きに女子サッカー界を任せるには、何かと犠が大きいと思われ、犠牲に見合う待遇の実現も課題になる。
光と影のギャップを一番感じているのは、なでしこジャパンの選手達かもしれない。今後、時間をかけてギャップが縮むことを祈るばかり。
右図の仕組みのもと、J-リーグでBIGくじの売り上げがすごい事になっているけれど、それだけではスポーツ振興予算としては心もとない。安定した予算も必要なはず。
先ずは、なでしこリーグ戦の観客を増やそう!そうした流れさえあれば、好循環が始まる。