著者:ジョージ・フリードマン
発行:早川書房
価格:1,890円
出版:2009年10月
100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図 正直胡散臭いサブタイトルが嫌気だったけど、取引先の社長と会食の際、この話をしようとなったのでイヤイヤながら読み進めたのがきっかけ。「最強のインテリジェンス」とか「影のCIA」とかアメリカ的価値観ではブランドの力がすごいのだろうけど、日本のインテリジェンスの方がすごいぞ!とか思っていたので黙殺していたほど。
で、読み進めると...。
意外に普通の視点であることに驚きながら読めました。基本的に地政学的な要衝の拠点を占領、制圧することがアメリカ的価値観の要諦にあることは想像していたので、現実的な要素の強い本として読めました。
全ては地政学的、Geographicalな視点で語られるので、この本を読んだ後は歴史の本を読むと楽しく読めると思います。歴史の本といっても中国の歴史ではなく、ローマの歴史がオススメ。中国の歴史は易性革命の繰り返しなので、継続性が少なく、実は物足りない。その点、ローマの歴史はイベリア半島統一だけで建国以来500年を要しているので、時間軸的スパンが長大。ローマは一日にしてならず、とは文字通り。
ただ、気になるのは、原書との相違の有無。無いかもしれないけど、意外にも違いがあることが多い。しかも、こういった国際政治的な書籍の場合、敢えて掲載を省略することもある。ということで、今、ペーパーバックを物色中。更に言えば、塩野七生さんのローマの本は第一巻から読み始め。
知的好奇心がこの本だけで終わらず、他の本にも飛び火。想像以上の面白さに敬服。