作成日:2013/03/20
更新日:2020/02/01
早速、HP12Cの活用法にどんなものがあるか試しています。
お金の借入、投資などの際にIRR等の関数をボタン1回押すだけで計算できるのは最高に便利です。
ビジネスで使える事例もあるけれど、分かりやすい事例として預金・投資・ローンの計算を例に挙げます。例えば銀行預金を検討するとき、投資信託商品を買う時です。
事例1:百万円を利率0.4%で三年預けると、どのくらい増えるか?
早速、HP-12Cで計算してみましょう!
ここでは
- 預金額:1,000,000円
- 受取金利:0.4%/年
- 預金期間:3年(36ヶ月間の毎月複利で計算します)
として計算します。
預金額100万円を入力
1,00,000 CHS PV
利率0.4%を入力
0.4 g i
預け期間3年(36ヶ月)を入力
3 g n
FV 将来価値を算出
結果は、1,012,070.265円と出ます。
3年預けると、約12,000円の受取利子がつくということです。
税後にすると9,600円くらいでしょうか?。
エクセルの関数にすると FV です。
Future Value = 将来価値の関数です。
事例2:三年後に百万円にしたい。いくら預金すればよいか?
今度は3年後に100万円にしたいが、利率は0.4%。
いくら預金すれば良いかを計算します。
3年後の目標額を入力
1,000,000 FV
利率0.4%を入力
0.4 g i
預け期間3年(36ヶ月)を入力(ここでは毎月複利としています)
3 g n
現在価値を算出
PV
-988,073.6886円と出る。
マイナス表示なのは、現金を払い出すから。
預金も投資手法のひとつ。資金を拠出するという意味ですね。
エクセルの関数にすると PV 。
Present Value = 現在価値の関数を使います。
事例3:目標とする利回りはどの程度必要か計算する
毎年の預金額(投資額)と貯蓄目標額と貯蓄期間は決めているけど、利回り何パーセントの投資をしたら良いのか?を計算します。
ここでは、
- 毎年の預金額(投資額)は20万円
- 貯蓄目標額は120万円
- 貯蓄期間は5年
として、年間利回り何パーセントの投資を目標にすれば良いのかを計算します。
毎年の預金額(投資額)を入力
200,000 CHS PMT
5年後の目標額を入力
1,200,000 FV
預け期間5年を入力(ここでは毎年複利としてます)
5 n
現在価値を算出
0 PV
i を押すと、画面に「running」の文字が点滅して計算が始まります。
9.12806 と出るので、年利9.13%の運用が必要ということがわかります。
この利回りは通常の普通預金では無理ですね。
為替レート等不確実さ(リスク)を許容できる方でないと無理な利回りです。
もし、この利回りは堅いという商品があれば、疑いましょう。
今の世の中で、そんな高利商品は絶対に怪しいのでご注意!
事例4:ローン返済を計算する
高級スポーツカーのポルシェ(1,500万円)を5年間(60回払い)、年利2.5%の金利でローンを組む場合に、毎月の支払額はいくらになるかを計算します。
ここでは、
- ポルシェ購入費用は 1,500万円
- 支払い回数は 60回(5年間)
- 年利は 2.5%
- ボーナス払い無し、毎月均等払い
として、毎月の支払額を計算します。
車両購入費用を入力
15,000,000 PV
ローン完済の意味で Future Value にゼロを入力
0 FV
支払い期間5年を入力(ここでは毎月複利としてます)
60 n
金利を入力
2.5 g i
PMT を押すと、画面に「running」の文字が点滅(0.5秒程度)して計算が始まります。
-266,210.424 と出るので、毎月266千円の支払いが必要ということがわかります。
事例5:内部収益率(IRR)を計算したい
今度は、投資利回りを測るIRRの計算方法です。
HP-12Cの本領発揮です。
毎年の利益が不均等に、バラバラに出てくる場合の計算方法です。
下の計算は、初期投資は100円、初年度13円の収入、二年目は15円の収入といった事例です。
事例
初期投資:-100
1年目 13
2年目 15
3年目 14
4年目 10
5年目 8
6年目 14
7年目 16
8年目 12
9年目 11
10年目 14
計算方法
内部収益率(IRR)は 4.62524% になります。
その計算方法は以下の通りです。
先ずは、初期投資の100を入れます。
100 CHS g PV(CFo)
続いて、10年間の利益を入れます。
13 g PMT
15 g PMT
14 g PMT
10 g PMT
8 g PMT
14 g PMT
16 g PMT
12 g PMT
11 g PMT
14 g PMT
何年間の利益を入れたか不安な場合は
RCL n
と入れて、10と表示されたら問題なしです。
再確認の作業なので、[RCL]の手順がなくとも計算できます。
最後にIRR計算コマンドを入れます。
f FV(IRR)
すると画面に「running」の文字が点滅(約3秒程度)して、4.625%と利回りが出てきます。
エクセルが無くても、プチプチボタンを押すだけで計算できます。
どこでも計算できるガジェットが胸のポケットに収まるのが魅力なんです。
最近はスマホにインストールしたエクセルでも計算できますが、出先にスマホで数字や計算式をいれる煩わしさを考えると、電卓の方がまだまだ便利です。
事例6:リース契約内容を利子率で分析したい
設備を導入するときにリース契約にするけど、銀行借入で一括購入するのと、どちらが徳なのかを負担利子率を分析したいという場合です。
個人で高額な自動車を買うときでも、同じ要領で分析できるので便利です。
月間複利で計算する場合
- 設備本体:5,000,000円
- 支払期間:180回(15年)
- 支払金額:月額35,555円(年額426,660円)
本体金額(元本)を入れます。
5,000,000 PV
支払回数を入れます。
180 n
毎月の支払額を入れます。
35,555 CHS PMT
利子率のボタンをします。
i
すると、画面に「running」の文字が点滅(約3秒)して、「0.28524」と表示されます。
毎月の支払いで計算しているので、月間複利で 0.285% ということです。
年間複利で計算する場合
毎月で 0.285% と出ましたが、年間利子率にするとどうなるか計算します。
支払い回数を180回から15回にするだけです。
本体金額(元本)を入れます。
5,000,000 PV
支払回数を入れます。
15 n
毎年の支払額を入れます。
426,660 CHS PMT
利子率のボタンをします。
i
すると、画面に「running」の文字が点滅(約3秒)して、「3.25710」と表示されます。
年間利子率にすると 3.25710%という負担利子率になります。
この数字よりも低い利子率で借入をできるならば、リース契約は損。
逆の結果であればリース契約の方がお得。
という分析をする際の計算方法です。
パソコンなくとも手元で計算できる便利さが魅力
要はエクセルの関数と同じことを計算出来る小型電卓です。
パラメータを入れて、関数ボタンを押すと、数秒で結果が表示されるので便利です。
いちいちパソコンを出す必要がないので重宝します。
しかも、パソコンと違って軽量、バッテリーは長持ち。
そういう電卓なんです。
買う前に操作方法を確認してみたい場合はWeb上にHP12Cエミュレーターがあるので、いじってみてはいかがでしょうか。勿論、RPN法の計算方法も体験できますよ。